ゆき・かのんを迎えて

私の場合、子供達が親離れする年頃が契機になりました。犬を飼いたい、しかし問題が・・・家内が犬を飼った経験が無く、どちらかというと犬嫌いだったのです。ここをどう克服するか。私は本を買いあさり色々調べ、ボストンテリアという犬種なら程よい大きさと温和な性格で、うまくいきそうだと目をつけました。しかし居ません。近県のショップも色々回って、やっと隣県で一頭みつけたのでした。何度かその店に通い、その仔を観察。これなら大丈夫と思ったところで家へ連れてきました。彼は穏やかで優しい性格で、次第に家人も馴染み、いつしかすっかり家族になっていました。
しかし彼には持病があったのです。3才頃から痙攣を起こす様になり、下った診断は「てんかん」。毎日薬を飲んでも2~3週間に一度は突然に倒れ、痙攣の後、狂った様に走り回り、失禁も。その最中は舌が紫色になり本当に苦しそうでした。でも嵐がすぎるといつもの優しい彼。そんな彼は発作を引きずりながら家族や近所の人達に愛され続け、9才の時、発作中に息を引取りました。
悲しかったです。気がつけば我が家は、すっかりボストンテリアに魅せられていました。しかし外からは絶対に分からないテンカンの事が引っかかって、また飼う事に躊躇していたある日、かつては犬嫌いだった家内が、愛犬雑誌を持ってきました。そこにボストンテリアのブリーダーさんが紹介されていると言います。「お父さん、この方の所の仔なら絶対大丈夫だよ。行ってみようよ、この方の所へ」そうしてやって来たのが「ゆき」です。繊細で優しく、考え深いのですが、度胸の座った強い姫でもあります。臆面も無く言わせて頂ければ「名犬」です。そしてさらに一頭「かのん」が加わりました。この姫は可愛い顔をしておりまして、なよっとした風情がオジサンキラーなんですが、どうしてどうして、なかなかやんちゃで笑わせてくれます。(写真下)
今、この愛くるしく、健康で明るい2頭との暮らしをとても楽しく過ごしています。ボストンテリアの魅力を教えてくれた初代に、そして良い姫をお育てになった川本さんに、感謝しながら。